2019年2月22日

[122]産経国際書会理事・朋邑(ほうゆう)書道会会長 吉本麗竹(よしもと・れいちく)さん(72)

第35回記念産経国際書展新春展出品作「王維 酌酒与裴迪」(縦240×横60センチ)
吉本麗竹(よしもと・れいちく)さん  広島県福山市で、第25回記念産経国際書展で高円宮賞を受賞した、田中蘆雪氏(元書会名誉顧問)に学ぶ。師の病気で会が閉会となったのを受け、平成28年に朋邑書道会を結成して月刊競書誌「朋邑」を発行。翌29年からは毎年夏に作品展を開催している。
 「福山で一世を風靡した蘆雪先生の書を私たちの代でゼロにしてはいけない、という思いで続けています。力のある若い仲間もいるので、さらに広めることができればと思う」と柔和な表情で話す。

 書を本格的に始めたのは、福山市の農家に嫁ぎ、子育ても一段落した40歳過ぎから。一生続けられる趣味を持ちたいと通信教育で書道を習っていたが、あるとき誘われた書展で蘆雪氏の作品を見て衝撃を受けた。
 「線が力強くて構成も良い。てっきり男性だと思ったら、着物の似合う小柄な女性。絵もお上手ですぐに入会しました」。
家が近かったこともあり、免許を取ると車での送迎担当に。競書誌の編集にも関わるようになり、身近に接することで多くを学んだ。
 産経国際書展、西安碑林国際臨書展に加え、産経国際書展新春展にも積極的に出品。
 「納得がいくまで自分で工夫して書き続けていくことが書の楽しさ。初心者の方にも味わってほしい」と話す。
(福本雅保)