2019年12月20日

[132] 常務理事、臨泉会副理事長、八戸臨泉会名誉理事長 大橋玉樹(おおはし・ぎょくじゅ)さん (75)

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20191220_sumifude_02.jpg  昭和を代表する書家、佐々木泰南が郷里八戸に設立した八戸臨泉会で、昨年まで理事長として年に1度の八戸臨泉会書展・学生書道展をはじめ、同会の運営を切り盛り。東京から全国を指導する臨泉会の佐々木月花会長(泰南の妻、書会最高顧問)、原田圭泉会長代行(二女、同常任顧問)、松井玲月理事長(三女、同副理事長)を支え、"泰南の書の流れ"を守ってきた。

 「月花先生と父が兄妹で、泰南先生が八戸にみえると宿泊は必ず私の家。多くの弟子を指導されるところをいつも見ていました」  勧められて小1から書を始めたものの、結婚、子育てで離れた時期もあり、本気で取り組むようになったのは40歳を過ぎた頃。きっかけは、ある展覧会で自分の作品を見て、「何と下手なのだろう」という恥ずかしさに襲われたことだった。それ以後、他の趣味をすべて辞め、書だけに向き合った。師からは、いろいろな法帖の臨書を勧められた。
 「ひたすら臨書をしていると、苦手な書体の法帖が、不思議と最後は楽しく、何と良い字だろうと思えてきました」
 以来、迷うと臨書で自分を見つめ直すという繰り返し。平成26年の第31回産経国際書展で東北地区最高賞の「伊達政宗賞」を受賞。地元への貢献が評価され、平成24年に八戸市文化賞、30年に同市功労者の表彰を受けた。
 「泰南先生はよく『書は人なり』とおっしゃいましたが、人柄が自然と出てくるのが書。今が一番楽しいです」
(福本雅保)