産経国際書会

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ひざまずいて神意を見届ける…「見」

 百聞ひゃくぶん一見いっけんにしかず、とは、何回なんかいくより、一度いちどたしかめることが大切たいせつ、という意味いみですね。目で見ることの大切さは、左上ひだりうえの「見」の甲骨文字こうこつもじを見るとよくわかります。

 ひざまずいている横向よこむきのひと)の上に、おおきな目()がのっています。
 このように目を強調きょうちょうすることで、神霊しんれいあらわれるのをしっかり見ようとする人の行為こういあらわしているのです。

 「望」が、つま先立さきだちしてとおくをながめる行為をすのにたいし、「見」は、ひざまずいてかみあおぎ、神意しんい(神様の意志いし、おげ)を見届みとどけようとしているのです。
 やがて「見」は、見学けんがく物見ものみなどの「みる」という意味のほか、会見かいけん謁見えっけん(あうこと)、見当けんとう(みこみや、めあて)、見事みごと(すぐれていること)、意見いけん(おもいや、かんがえ)など、たくさんの意味のひろがりを表す文字もじとなりました。

(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)