産経国際書会

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振り返ってよく考える…「省」

 おぼんやすみ。前回ぜんかいの「」につづき、今回こんかいは「せい」をり上げます。

 「省」は「せい」と「」の形成文字せいけいもじおんあらわ部分ぶぶんと、意味いみを表す部分をわせた文字)です。

 うえ金文きんぶんてください。「目()」のうえにある「」は、「生」のはじめのかたちわれ、のろいをかけた眉飾まゆかざりをしめしています。

 古代こだいにおいて、支配地しはいちおさめるためには、威厳いげん武力ぶりょくでにらみをかせながら見まわりをして、不遜ふそん行為こういがあればばつあたえました。のち、不遜な行為かいなかを判断はんだんする「省察せいさつ」の能力のうりょくしめすようになり、省吾せいご不十分ふじゅうぶんなことなどをさとること)、反省はんせい内省ないせいの意味になり、省察の結果けっかによって、はんしたものをとりのぞくことから、「はぶく」の意味になりました。

 帰省きせいとは、帰郷ききょうしておや安否あんぴたずたしかめることです。みなさんの帰省が、たくさんのこころかよい合ったしあわせせなひとときでありますように。

(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)