産経国際書会

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鈴を鳴らして楽しませる「楽」

 神社じんじゃ参拝さんぱいするときすずらします。鈴は、かみひとおとでつながっているという古代こだいからのかんがえがあるようです。

 その鈴の重要じゅうよう意味いみが「がく」です。楽(樂)は、金文きんぶんをみるとが鈴、左右さゆう(幺=よう)は糸飾いとかざり、は鈴のついた持ち巫女みこ姿すがたあらわし、樂とは鈴を表します。

 鈴やかね金声きんせい(金ぞくからる音)は、神霊しんれいを呼ぶため、とくとおとばれ、神霊をたのしませるためのおどりりには鈴の楽器がっき「樂」が使つかわれました。

 樂には、邪霊じゃれいはらう力があるとかんがえられていて、病気びょうきを治すための巫女のお祓いは医者いしゃ役目やくめねていたようです。そのことからか、治療ちりょうの療は「」が本字ほんじで、治かれていましたが、いまは使われていません。

 くすりは、 艹(くさかんむり)がくすりになるくさ薬草やくそう)を表し、やがて「くすり」の意味になりました。

(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)