産経国際書会

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古代、「福」は神が授けてくれた

 ひとはだれでも幸福こうふくになりたいとつねおもっています。幸福とかんじることは人によってさまざまですが、古代こだいでは幸福は自分じぶん努力どりょくしてるものではなく、かみさまからあたえてもらうものでした。

 神さまが分け与えてくれるものはなんだったのでしょう。それはおさけでした。上の文字は「福」(ふく)という漢字の甲骨文こうこつぶんです。福という漢字はネ(示=台)を、は(でさかだる)をそれぞれ意味いみし、ふたつをわせてつくられています。神さまにささげた酒を自分じぶんの酒だるにいただく(神福しんぷく)ことを福としていたのです。

 ですから「福」という漢字には「神さまからさずかるたすけ」という意味もあります。

(書:産経国際書会副理事長 髙橋照弘)