産経国際書会

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人に隠して知られない…「密」

 5月がつ1日にちに、皇太子こうたいし殿下でんかが即位そくいされ、新あらたな「令和れいわ」の時代じだいが始はじまります。ご即位に伴ともない、様々さまざまな儀式ぎしきが行おこなわれますが、中なかには一般いっぱんの目めには触ふれることのない秘密ひみつの儀式もあります。

 そこで今日きょうは、「密」を取とり上あげます。

 左ひだりの篆書てんしょでわかるように、「密」は、「宀べん」「必ひつ」「山やま」で構成こうせいされます。「宀」(いえ)と「必」(隙間すきまがない)を合あわせた「宓ひつ」は、家いえの戸とをぴたりと閉とじることを意味いみします。そこに「山」が加くわわり、人ひとを近ちかづけない山奥やまおくに隠かくす意味になりました。

 また、「密」のもとの字じは「秘ひ」であったとされ、「必」は、兵器へいきの「戈ほこ」や「矛ほこ」、「鉞まさかり」の頭部とうぶを柄えに装着そうちゃくする部分ぶぶんの形かたちで、先祖せんぞの霊れいを祭まつる廟びょう(宀)の中に戈を置おき、それを火ひで熱ねっして清きよめる形とも言いわれます。厳重げんじゅうに隠され、執とり行われた儀式だったのです。

 「密談みつだん」「密閉みっぺい」などのほか、隙間がないという意味から、「密集みっしゅう」「親密しんみつ」などと使つかいます。

(産経国際書会常務理事、山本晴城)