産経国際書会

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神器の上に浮かび上がった神の姿…「容」

 顔立かおだちや姿すがたうつくしいことを容姿端麗ようしたんれいと言います。「容」は、ひだり篆書てんしょるとわかるように、祖先そせんをまつるみたまや屋根やねかたち「宀」と、ねがごといた祝詞のりとれるうつわ」のうえに、かすかにあらわれたかみの姿「」をあわらした会意かいい文字もじで、「すがた」「かたち」「ようす」の意味いみから、「ゆるす」「いれる」の意味にも使つかわれ、容赦ようしゃ容認ようにん容量ようりょう容疑ようぎなどの言葉ができました。

 廟にはいっていのるため、きよ沐浴もくよくする「浴」、れいの姿が現れることをつよく願う意味の「欲」、お姿が現れることでふくさずかることを「裕」と言います。このさん字に使われている「谷」は、「容」の「谷」と系統けいとうが同じで、祈りにかんする「」の文字分類ぶんるいに入ると言われます。

 左右さゆうやませまりできる「谷」は「山谷やまたに)」の意味で、容の「谷」とは区別くべつされます。

(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)